知床岬携帯基地局整備について

更新日:2024年05月30日

知床岬携帯基地局整備について

◆ 斜里町は1971年の第一次総合計画から今日に至るまで、一貫して「みどりと人間の調和を求めて」をまちづくりの基本理念として掲げてきました。自然の恵みを源に町民のくらしが営まれ、その調和を求め続けることを政策・施策の基軸とすることとし、その精神は未来にわたって引き継いでいくこととしています。

 

◆ 斜里町は1977年以来、全国の多くの市民の賛同の下で、乱開発の危機にあった知床国立公園内の開拓跡地を保全し、原生の森を復元する「しれとこ100平方メートル運動」に取り組んでいます。国内では先駆けとなるナショナルトラスト運動であり、世界自然遺産登録時にもユネスコに高い評価を受けた取り組みです。全国各地にいるこの運動の参加者の皆さんは、斜里町にとって大切な応援団でもあります。

 

◆ 斜里町は、令和4年4月に発生しました遊覧船事故を契機に、世界自然遺産の自然・景観との両立を前提にした海域の通信環境の改善を国に要望していましたが、今回の知床岬地区における携帯基地局整備において、多方面から寄せられた携帯基地局整備に伴う自然環境や景観への悪影響を指摘、懸念する声を重く受け止めています。

 

◆ 知床半島先端部海域部分の電波状況の改善に関しては、安全安心の確保のため、関係機関の皆様の多大なご努力によって、実現にこぎつけたことに関しては、感謝を申し上げるところですが、今回多方面から寄せられたご指摘、懸念する声、そして先にあげたみどりと人間の調和を基軸としたこれまでの町政運営の歩みを踏まえ、斜里町長としてあらためて安全安心と自然・景観との両立を求めるところです。

 

◆ 具体的な打開策としては、現在整備が進められている他2箇所(ウトロ増強・ニカリウス新設)の携帯基地局整備によって、半島先端部においても電波状況の改善が見込まれることから、これらの工事完了を優先することとして、知床岬携帯基地局整備工事については、一旦工事を見合わせ、先行2か所による電波改善状況を見極めたうえで、その整備方針を決定してはどうかと考えており、関係機関の皆様にもご意見をお聞きしていきたいと思っております。

 

令和6年5月30日

斜里町長 山内 浩彰